「進捗(しんちょく)」という単語はお仕事でよく使いますよね。

 この「捗」という漢字、実は右下の「少」部分の右側の点がないことについ最近気づきました。

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漢字辞典オンラインより)
 
 正しくはこの通り点がないんですけど、実は使うパソコンによって点がある文字で表示されることがあります。その理由が大修館書店のホームページに載っていました。(Q0291) 

 (...)当用漢字が制定されたとき、それまで複雑だった漢字の字体が簡略化されましたが(新字体)、その中で例外的に、画数が増えた漢字がありました。その代表格が「歩」です。
 「歩」は、それまでは図の赤い部分がないものが正しい字体とされてきましたが、書きやすさを考えてのことでしょうか、現在私たちが使っているような、赤い部分があるものが正しいとされることになったのです。
 これだけであれば、「捗」に関する食い違いは生じません。しかし、「捗」は当用漢字には含まれていなかったことが、話をややこしくすることになりました。なぜなら、当用漢字によって字体が簡略化されたとき、当用漢字に含まれない漢字については、なんの取り決めもなされなかったからです。
 その結果、「捗」の字体は「歩」とは無関係に考えて、従来どおりに赤い部分がないものを正しいとする立場と、「歩」と同じ変更を「捗」にも加えて、赤い部分があるものを正しいとする立場とが、並立することになったのです。

 ここでいう「図の赤い部分」というのは「少」の右側の点のことです。
 当用漢字に採用されたかどうかが運の分かれ目というか、ややこしくなった原因のようです。

 当用漢字はその後改定されて常用漢字となりましたが、状況に変化はありませんでした。学校教育での漢字指導は、常用漢字の範囲内で行われることになっていますから、建前としては、常用漢字ではない「捗」が学校の試験に出題されることはありません。とはいえ、正しい字体について食い違いが生じているのは、困った状況です。そしてこういった食い違いは、「捗」以外にもさまざまな漢字で生じているのです。
 この問題については、国語審議会が2000年に「表外漢字字体表」というものを答申しています。これは「常用漢字表」に含まれない漢字の字体を、初めて定めたものです。それによれば、「捗」は赤い部分のないものが正しいとされていますが、この表の字体がコンピュータの世界に反映されるのは、まだ先のことのようです。

 最後に「コンピュータの世界に反映されるのはまだ先」とありますが、最近のパソコンではもうすでに点がない正しい字体で表されています。ちなみに、「表外漢字字体表の漢字一覧(Wikipedia)」を見ると、687番目に記載されています。
 
 今まで「こうだ」と思い込んでいたものが間違いだったと気づくときって、脳内修正作業が結構大変ですよね。僕なんて記憶力が人より劣るので、ややもすると忘れてしまいます。(なのでブログに書いてみました。)

正しいか、正しくないか


 さて、上記のように「点がある方が正しい」「いや、ない方が正しい」などと、真っ向から意見が食い違うとき、あなたはどうしますか?

 ・自分の意見を押し通しますか?
 ・相手の意見を受け容れますか?

 正解なんてありません。ケースバイケースだと思います。

 相手の意見を聞かずに、ただ自分の意見を押し通すのは、ゴリ押ししているようであまり賢いやり方ではないように感じます。
 また、面倒だからと言って、自分の主張をせず相手の言い分をそのまま受け容れるのも、自分が不満を持っていることで後でトラブルになりやすいのではないかと思います。

 この辺りのバランスを取るのは非常に難しいと思いますが、解決の一助として「相手の話をよく聴く(傾聴)」があります。

 僕はこの「傾聴」というのを、(株)自由の森が主催するコーチング勉強会で学んだのですが、相手の話を本当によ〜く聴くと、言葉の向こう側にある相手の伝えたい真意が感じられることがあるんですよね。共感できるというか、こいつがこういう意見を言うのも尤もだというような感情を抱くことがままあります。

 この二項対立構造を解決するには、双方が「共感」することが大事なのではないかな〜、とふと思いました。
 今回の「点なしが正しい」と決めたのも、点なし派と点あり派が互いに共感して結論を出したのだとしたら、なんか素敵ですね。